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風俗作家・吉岡優一郎が見た、女性が風俗で働くその理由2 家族の闘病編

2016年11月02日 11:48
みなさんこんにちは。風俗作家の吉岡優一郎です。
ボクは風俗作家として全国を旅しながら、のべ300名を超える風俗嬢の方々から身の上に起きた様々なお話を伺ってきました。
このコラムでは彼女たちが人生の岐路で、なぜ風俗で働くという選択を行なったのかについて、お話をまとめてお伝えしたいと思います。


ボクがこれまで多くの風俗嬢の方々を取材してきましたが、今回は風俗入りの動機を訊いて一番胸につまされた女の子のエピソードをご紹介します。
お話を聞いたのは2004年の春のこと、神戸で出会った『ゆかり(30歳・仮名)』という女性は、家族を守るため壮絶な闘いの中に身を置いていました。


--風俗に入る前は、どんなお仕事をされていたのですか?

普通の会社員をしていました。実は私には結婚歴があって、25歳のときにそれまで勤めていた商社を、同僚と結婚したので退社しました。
でも主人との仲はあまりよくなく、27歳の時に離婚して職を探しました。
幸い以前在籍した商社の子会社で欠員ができたとのことだったので、28歳までの1年ちょっとお世話になっていました。
お給料も同年代のOLの人たちよりも、若干良かったと思いますね。


--お給料は良かった? それでは風俗に入ったのはどうして?

 家族の病気が理由です。私が28歳のときの初夏、今から2年くらい前のことだと思います。私の父が体調が悪くなって入院したんです。
元々お酒をよく飲む人で、肝臓は強くない人だとは思っていたのですが、全身に黄疸が出て、慌てて病院へ行ったら『肝臓がんのステージ4』だと…。
それで治療に入って当然働けなくなったんです。
うちはそんなに蓄えもなく、父の収入に頼って家計が成り立っていましたし、まだ家のローンが10年ほど残っていたから、母が専業主婦でしたけどパートで働きに出るようになったんです。

 でも、1年ほど経って今度は母が職場で突然血を吐いて倒れて、救急車で病院へ運ばれてしまったんです。病名は胃がん。
血を吐くほどの症状だから相当進んでて、それでも父の入院費と生活費を稼ぐために、辛いはずなのに母は頑張ったのだと思います。
父も母も働くことができなくなり、私が一人で生活費と両親の治療費を用意しなくてはならなくなり、いくら給料の良い職場だからと言ってもその金額ではどうしようもなくなってしまいました。
それで、その費用を私ひとりで捻出するために風俗で働くことにしたのです。


--それで風俗入りを決意したと。具体的にお店はどうやってみつけたのですか?

 高校時代の仲の良かった友達が、大阪の日本橋のホテヘルで働いていて、その子に相談しました。
最初はその子が働いているお店を紹介して貰おうと思ったのですけど、父の治療費の話をその子にしたら、『それやったらもっと高額に稼げるとこ行ったほうがええで。』とアドバイスしてくれて。
それで彼女にいろいろ情報を調べてもらって、今勤めている福原の高級ソープに面接に行ったんです。


--いきなりソープですか。抵抗はありませんでしたか?

 それは全然。というか抵抗とかを考える余裕はありませんでしたね。
父の治療が最先端医療で健康保険が効かないので、それなりの金額が毎月必要になるんです。
そのお金を稼ぐんだって気持ちが強かったから、何だってできますよ。
でも経皮経肝アルコール注入療法(皮膚の上から針を刺して肝臓の腫瘍にアルコールを注入し腫瘍を壊す療法)って治療法がうまくいったみたいで、がん細胞がかなり小さくなってきているので、このまま良くなってくれればなって思います。
ただ母は胃がんは全摘出できたけど大腸に転移がみつかったので、難しいかもしれません。
私にできる限りのことはやって、両親を支えたいと思っています。


--将来の夢はありますか?

 実はお客さんと仲良くなっちゃったんですよね。いろんな意味で私を後ろから支えてくれてます。
私が治療費を稼ぐ必要がなくなったときは、ソープを辞めて一緒になろうと思っています。
私は風俗で働いたことはなんら後悔はしていません。
ここで働いたことで両親はがんという深刻な病気と闘えたし、私は両親を支えることが出来た。
それにこんな素敵な男性を私に授けてくれた世界だから、私は風俗という世界に本当に感謝しています。

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風俗で働く女性には、本当にいろんな人たちがいます。
辛く悲しい思いをしながらも、こんなに健気に頑張っている女の子もいるということを頭の片隅に入れていただいて、皆さんが風俗へ遊びに行ったときも、どうか女の子に優しく接していただければなと思います。

この記事の著者:吉岡優一郎

1964年2月23日生まれ ノンフィクション作家。PHPプログラマー。1996年より20年にわたり風俗業界に関わっている。
風俗情報ネットラジオ番組『フーゾクリンクラジオ』を2002年にスタート。
その縁でインターネットラジオ局『レディオ与一』『淫らなラジオ 淫らじ』を設立し、両局で局長を務める。
著書に『風俗嬢のホンネ』『もっと風俗嬢のホンネ』『風俗嬢たちのリアル』『ベテラン風俗ライターが明かすフーゾク業界のぶっちゃけ話』『ワケありな風俗嬢たち』(いずれも彩図社)がある。
ミリオン出版『俺の旅』、Webマガジン『FenixZine』などで連載記事を執筆中。
おもにインタビュアーとして活躍の傍ら、体験取材や旅行記、風俗店アドバイザーとしても実績がある。
 

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